霞日岬 (かすび-みさき)
ファナルカナタル共和国 領
ファナルカナタル共和国の首都


高影響精霊 水・風
移動
 ←鳥着谷(徒歩)  ←↑紗荷来渓谷(徒歩)  ↑北川上平原(徒歩)

ガイド

 この岬に船で差しかかると何故か太陽が霞む現象が起きる。
 どんな気温、天候でもそれが起きるので霞日岬と名付けられた。
 実に単純な理由である。
 ファナルカナタル共和国の首都になる際、霞日岬では無く、
 もっと名誉ある名前に変更しようとあれこれ行ったが結局この名前で落ち着いてしまった。


軽紹介
 大サーカスができるような巨大なテントがあるファナルカナタル共和国の本拠地。
 ファナルカナタル共和国の国民は、定住せず川上島を周回するテント生活の遊牧民だが、
 流石に公的な書類や外交に係る事などを取り扱う施設がフラフラと移動してては都合が悪いので、
 そういう施設のテントは霞日岬に固定である。
 まあ固定と言っても三か月に一回のペースでテントを霞日岬内でテントをずらしているのだが。

 ファナルカナタル共和国の殆どの物資はここに集まる為、
 都と言って差し支えない賑わいを保っている。
 長旅の疲れをここの美味しいお酒と食べ物で癒そう。

冒険者酒場:七里亭(霞日岬店/屋台)の依頼傾向
依頼名 この街の傾向
宅配 多量 ここの人たちはテントで気ままに住所を移動してしまうため、
友人知人が手紙やプレゼントを送る際、
冒険者に頼む事が多い。
人探しの占い師の見料と報酬を上手く計算して依頼を受けよう。
買物 普通 ファナルカナタル共和国内での買物は少なく、
他の国から嗜好品、化粧品、お酒などを輸入するのに、
買物を依頼される事が多い。
素材集め 少量 素材で研究や錬金術などを行っている者が少ない為、
依頼量も少なくなっている。
護衛 普通 商人などが移動の際に護衛依頼が出る。
たまにテントの周辺を護衛してほしいという依頼もあることがある。
逮捕 普通 依頼量は普通レベルだが、
ここの国ならではという逮捕依頼は無い。
手配 普通 依頼量は普通レベルだが、
ここの国ならではという手配依頼は無い。
退治 最多量 この国の国民はテント生活の為、城壁や柵が無い。
野生のモンスターが普通に人の生活圏に入ってきてしまうため、
モンスターの間引きは頻繁に行われる。
川上島全体の退治依頼はほぼここで処理している。
討伐 最多量 近くにダンジョンなどが発生した際は即刻ダンジョンのボスの討伐依頼が出される。
他の国ではダンジョンから色々な物を採取したり、
宝箱を手に入れたりと言う間を置き、冒険者を呼び込むようにしているがこの国は違う。
強力な軍隊や城壁や柵などが無い為、モンスター発生根拠地になる所は、
出た瞬間に抑えていくしかないのだ。
川上島全体の討伐依頼はほぼここで処理している。
精霊からの依頼 普通 特筆した依頼は無い。
その他 普通 掃除系と、テント移動時のお手伝いのような依頼が多い。

国家と占いと宗教と
 ファナルカナタル共和国の国家元首は血縁などでは無く、国民から選ばれるのだが、
 その選ばれ方が何と占いなのだ。

 元々ファナルカナタル共和国の建国当初は狂信とも言えるほどの宗教国家で、
 性質の悪い詐欺宗教団体そのものだった。
 しかしこの宗教団体が、他の詐欺宗教団体と決定的に違う点として、
 本当に「神である精霊が存在する」と言う所が運命を変えたと言える。

 あまりに教祖が好き勝手言うので、ついつい精霊が口を出してしまったのだ。

教祖「川の氾濫を止めるには生贄が必要だ!」
精霊「要らぬ」

教祖「精霊様は○○とおっしゃっている! だから私に○○しなさい!」
精霊「どこの精霊が言ったのだ?」

教祖「このお札は精霊様の御加護が付いているありがたーいお札。買いなさい!」
精霊「そんな札しらぬ」

 斯くしてこの教祖は追放され、残された信者は精霊を崇めた。
 しかしこの精霊、無茶苦茶言う教祖が居なくなったので口出す事を止めにして、姿を消して引っ込もうとした。

 信者が慌てて訊ねる。

信者「お待ちください精霊様。精霊様が居なくなってしまったら、いったい誰が我々を導けば良いのでしょう?」
精霊「居なくなる訳では無いが、、、人間の事は人間が決めるがいい。
   私は関与しすぎた。他の精霊からの視線もそろそろ痛い。引っ込ませて欲しい」
信者「ならばせめて、我々の中から導き手をお決めください。お願い致します」
精霊「そういうのに関わってはならんのだ。お前達で決めるが良い」
信者「決め方が分かりません」
精霊「占いでもして決めたらいいだろう」
信者「占いですね! 分かりました!!」
精霊「え?」
信者「ありがとうございました! 精霊様! 今後とも加護をお願い致します!!」
精霊「……あ、ああ」

 そして精霊は見えなくなった。

 この経緯からこの国では国家元首を占いで決めている。
 国家元首の占い方は、まずは国の全ての占い師が4つの課題を占う。
 課題は「次期国家元首本人の名前」「任期」「任期延長の仕方」「緊急解任の仕方」の4つである。

 結果が出たら書類に記入し、その書類を一か所に集める。
 集めた書類一枚一枚を全く同じ柄の封筒に入れる。

 この後、封筒を一枚一枚、掲げ、
 「この封筒の中身の人物はいかに?」
 との掛け声があがるので、占い師が一斉に占う。
 占い結果は「可」「否」のどちらかで「可」の数を封筒に記入する。

 全ての封筒の結果が出たら、一番「可」の数の多い封筒を開き、
 そこに書いてある人物が国家元首となる。
 この書類は記念品として国家元首となった者に贈られるが、他の書類は全て焼却処分となる。

 この国家元首占いの第一回目で、
 ヒュル=ファイフが選ばれた日がファナルカナタル共和国の建国日。
 現在の国家元首、スクラ=ファイフは第三八回目の占いで選出された国家元首だ。
 (※ファイフはファナルカナタル共和国で元首を表す称号。元々は「偉大なる」と言う意味)

 今のところ占いから選ばれた国家元首が暴君だった事は無く、
 それなりに上手くやっている。

 血縁、人望、貧富など関係無く選ばれる為、
 新しい国家元首が選ばれる度になにかしらのサプライズはあるのだが住み難くなった事はない。

 一度、とある時代の国家元首が、
「男には選択権を、女には拒否権を与え、これを絶対的な権利とする。これを守れば夫婦円満間違いなし」
 と、人の生活を縛る法律を初めて打ち立て、大いに周囲を驚かせた。
 この法律自体は直ぐに無くなったが「男に選択権、女に拒否権」と言うのは皆が面白がって従い、ゲーム感覚で広まった。

 今でも風習として残っている。


占い師
 霞日岬には多くの占い師がいる。
 もはや国技と言っても良い。
 占い師の質はピンキリだが、見料は立地依存の為、
 値段が高ければ良いとは限らない。
 立地の悪い所で占いをやってる腕の良い占い師をなんとか見つけるしかない。
 ただ占い師もテント生活でフラフラと移動しているので、
 前回見つけた位置にまた居るとは限らない。
 そして前回と同じ値段とも限らない。

 ファナルカナタル共和国の占い師の特徴として、
 仕事の占いは外れが多いが、人探しの占いは三流でも良く当たる。
 移動して行方が分からなくなった腕の良い占い師を見つけるの為に近くにいる占い師に占ってもらうという事もちらほら。
 ちなみに「私の運命の恋人を探して下さい」と言う占いは聞きあきてウンザリしているし出来ないので止めてほしいとの事。




キャラ画像配布元:いぶし銀様(日和屋/リンク先消滅)  写真:ゆん様