軟藁村 (な-わら-むら)
八千矛王国 領


高影響精霊 火・土
移動
 →馬鳴港(定期船)

ガイド

 この村の主な産業はなんと「藁」である。
 この藁が馬や牛、そして食藁の出来る獣人や非人型種の者達に大人気なのである。
 一度、ここの藁を食べてしまったら、普通の藁には戻れないと言われる程だ。

 美味しさだけでなく栄養も素晴らしく、ここの藁で育った馬は逞しく健康で元気よく育つ。
 その上、生産量がかなりあるので、値段も安い。
 この藁の商品名を考えて無かった為、獣人や非人型種の方々が、
「あの軟らかい藁を作る村のやつが欲しい」
 と、注文する事から、そのまま商品名「軟藁」となり、
 そこから軟藁の村、軟藁村となった。


軽紹介
 この村は海に囲まれた島であるが、漁業などは全く行っていない。
 そもそもこの村、いや、この島は「羽鎚殿」と呼ばれる神殿がひっそりと建ち、
 それを目当てにした人が時折訪れる程度の場所であった。

 住民と言えば「羽鎚殿」の関係者が住んでいる程度で、村人と呼べる人が居なかった。
 そもそも島の全ての土地を「羽鎚殿」が所有しており、人が移住できるような所では無かったのだ。

 そんなある日の事、ちょっとした事情で定期船が一か月ほど来れない時があった。

 その時は必要な物は全て備蓄してあったので、何とかなったが、
 もしも同じような事情が起き、何か月も孤立したら、皆飢え死にしてしまう。
 そんな危機感を持った羽鎚殿の主は「畑を開墾した者にはその分だけ土地を与える」と宣言した。
 もちろん島が歪にならないよう、配慮した開墾に限定され、取れた作物の一部を羽鎚殿に納める条件があったが。

 移住者はかなり多く、羽鎚殿が設定していた定員がすぐさま埋まってしまい、応募を締め切った時はちょっとした騒動にもなった。
 それから開拓が進むにつれて、ここの藁が非常に優秀であることが分かり、大人気商品として富をもたらすものとなったのだ。

 穏やかな村と言う名称がぴったりの所で、日差しが明るく、一面に広がる麦畑に圧倒される。
 気候も穏やかなため、しばらく滞在して骨休めしたい所だが、
 羽鎚殿が開墾目的で土地を分け与えただけなので、娯楽施設や、お店、宿屋と言ったものが無い。
 七里亭は村人が増えた際に、羽鎚殿が誘致したので例外である。

 故にこの村に来たら冒険者酒場の七里亭の宿泊施設か羽鎚殿に泊めてもらうしかない。
 七里亭や羽鎚殿が部屋が満室だと、村があるのに野宿と言うハメになる。

冒険者酒場:七里亭(軟藁店)の依頼傾向
依頼名 この街の傾向
宅配 微量 街の人数が少ないため、
宅配もほとんどなく、特殊な際に手紙が依頼される程度である。
買物 普通 街の人が他所からお酒や服などを購入する際、
依頼に上がったりする。
素材集め 微量 この島では質の良い素材は採れるのだが、
街の人が欲しがっていないため、依頼は少ない。
薬草系を多少集めてくるくらいである。
護衛 少量 この街に物を売りに来た商人を護衛する依頼がたまにある。
逮捕 微量 公的機関がこの街に無いため、
七里亭は一度、馬鳴港の公的機関に手続を取って来ている。
手配 微量 公的機関がこの街に無いため、
七里亭は一度、馬鳴港の公的機関に手続を取って来ている。
退治 普通 害獣から畑を守る依頼がある。
討伐 普通 この島に発生したダンジョンのボスの討伐依頼がある程度
精霊からの依頼 微量 特筆したものは無い
その他 普通 藁集め、藁運びと言うのが収穫期に発生する。

羽鎚殿(は-づち-でん)
 この島の全てを実質今でも所有している神殿。

 この神殿は、魔法アイテムや魔法生物などを調査、調整、融合、分離などが出来る所で、
 冒険者と言う制度が出来る前から有名な所であった。

 かの英雄タイタオやタイタオの仲間も、自分の装備の魔法付加の状態を調べてもらい、
 自分の戦いやすいように調節してもらった。

 この羽鎚殿は宗教施設では無く、内容としては魔法を研究する研究所のような所であるが、
 建物の作りや、羽鎚殿の全体的な雰囲気が宗教施設を思わせる事から「神殿」と呼ばれている。

 羽鎚殿の主が研究所の所長みたいな感じであり、宗教施設にありがちな教主を崇めるような雰囲気は無い。
「博士と助手」と言うノリである。

 羽鎚殿の主もその場のノリで次が決まる。
 何代か前の主は「料理が上手いからお前でいいか」と言う滅茶苦茶な決まり方をした。

 今代の主は元冒険者で、変化先の種族が長命不老の種族だった為、
 若い娘の姿のままである。
 当人は自分があまりに長期に渡って主である事を気にしており、
「次の主を決めてさっさと引退したい」と常に言っているが、
 結局は羽鎚殿の皆が好きで、何かと心配して引退できないでいる。

 羽鎚殿の連中もこの主が好きなため、取って代わろうとかは思っておらず、
 主が「引退したい」とつぶやいても笑顔でスルーしている。

 また、八千矛王国政府も、一人の者が長期的に組織のトップに居る場合は何かしらのアクションを取るのだが、
 羽鎚殿の今代の主は魔法アイテムや魔法生物の調査、調整、融合、分離と言った羽鎚殿としての手腕も、
 領地運営や人望、政治的常識や剛柔を上手く使い分けると言った領主としての手腕も、
 非常に評価が高い為、世代交代要求案は常に見送られている。


特殊能力の受領

 魔法科学一辺倒に見える羽鎚殿だが、精霊魔法学も一応やっている。

 とある精霊と冒険者を独自の方法で交信させ、特殊な能力を冒険者に付加するのだ。
 この方法により特殊な能力を得れるが、得る為に何らかの代償を支払う必要がある。

 得れる能力は選べるが代償の度合いによって強度が違う。
 腕一本使えなくすると、ド素人が中級モンスターを倒せるぐらいの戦闘力を得れるのが目安だが、
 代償の度合は本人の主観が影響する。

 腕一本使えなくなることに異常に悲しみを覚える冒険者ならば、戦闘力皆無から上級モンスターを倒せるぐらいまで戦闘力が跳ね上がる。
 腕一本使えなくなることをなんとも思わない冒険者ならば、なんらかの能力がほんの少し上昇して終わりだろう。

 また、当人の主観が変化しても、一度得れた強度は変化しない。

 生活に影響は無いが「本人にとっては辛い」というものをチョイスし、
 高い能力を得て辛さを乗り越えると言うパターンが一番良いやり方だろう。



キャラ画像配布元:いぶし銀様(日和屋/リンク先消滅)  写真:ゆん様