ガイド ![]() 遠くからでも馬の鳴き声が聞こえる。 船に乗ってこの港に近づくとまるで港が馬の鳴き声をしてるように見えるため、 馬鳴港と名付けられた。 ……実は元々この港はかなり卑猥な名前がついていて、地元の人間はそう呼んでいたのだが、 八千矛王国が編入する際、これはいかんと判断した政府が、上記理由をでっち上げて名付けた。 馬が多く、港が馬の鳴き声をしているように見えるのは事実なので一応問題は無い。 軽紹介 交易が盛んな港の為、ガタイの良い水夫が溢れ、活気があり、賑やかである。 ただ、上品な者にはちょっと居づらい所かもしれない。 多くの酒場や性風俗の店が立ち並び、怒号や喧嘩、下品な会話が普通に飛び交う。 そういうのが好きな冒険者はここで堪能して行くといいが、 苦手な冒険者は用事を済ませたらさっさと退散するべきである。 まあ、それでも交易などで手に入る珍しい商品などがあるので、 せっかく来たのならば交易品を見てまわる事ぐらいはした方がいいのかもしれない。 冒険者酒場:七里亭(馬鳴港店)の依頼傾向
無意味のマヤミロ記念館 ![]() 彼の趣味は生産性がまるでなく、労力ばかりつかって何も生まなかった。 自分だけが読む小説を何日も徹夜して作ってみたり、 何の用途も無い穴を掘って、満足したら埋めてみたり。 自分で勝手に設定した実在しないモンスターを、どうやって倒したらいいか本気で毎日考え、 その攻略の実験の為に私財を潰してみたりと、 周りの人から見れば彼はいったい何がしたいのかサッパリだった。 彼の方も理解してもらおうとは全く思っていなかったようで特に説明をした事は無い。 これだけならばマヤミロは地元の珍しい人止まりで、それ以上有名にはならないところだったが、 マヤミロは剣士としての腕前がそれなりにあった事と、とある人助けをしたことが分岐点となった。 とある依頼にて盗賊団を討伐したマヤミロ。 そこで容姿が女に見える事から盗賊団の慰み者にされていたヤフスと言う少年を助けたのだが、 この少年、多数の盗賊をバッサバッサと斬り伏せたマヤミロの強さに憧れ、強さの秘密を勝手に研究するようになったのだ。 もちろん秘密など無く、マヤミロが幼年の頃から真面目に剣士として道場に通って修業して、 冒険者になってから依頼を受けて経験を重ねた事によってできた強さだ。 そしてそんなある日の事。 ヤフス「マヤミロさん! マヤミロさんが強いのは普段やってるあの変な趣味のおかげなんですね!」 マヤミロ「……?」 ヤフス「僕、わかりましたよ! 色々とやってみたんです! 自分で勝手に設定した料理をどうやって食べるとか!」 マヤミロ「……??」 ヤフス「そしたら、分かったんです! それに成功した時、達成感と言うか、なにか、こう、喜びのようなエネルギーが身体に沸いてきて!」 マヤミロ「……え?」 ヤフス「物理的、経済的、そういう面では全く無意味でも、精神的にエネルギーが蓄えられる! そういう事ですね!」 マヤミロ「……その? え?」 ヤフス「これは皆に教えねば! 僕はこの事を本にして世間に知らしめますよー! それでは行ってきまーす!」 マヤミロ「……あ、ちょっと……」 このヤフスが記した「剣士マヤミロの無意味に見えるが身体にエネルギーが蓄積される教え」はあっという間に広まり、 多くの人間が自分勝手に無意味な事をするようになった。 そんな中、特に行われたのが妄想してその妄想を物語として本に記す事。 最初は個人個人が自分で勝手に妄想した物語本を作って所持してただけだが、 他人の作った妄想の物語を読むのが楽しいと言う者が現れるようになり、 欲しいという者に売るようになった。 その後、書き手と読み手が徐々に増えてくると取引する場が現れ、そこに市場が生まれた。 お金になるとわかると企業も黙っておらず、出版業界が発展するようになる。 文学や芸術という扱いだった小説などの物語が、妄想の中に自分を投影して悦に浸ると言う世界ができあがったのだ。 この事は「無意味のマヤミロ」と言うジャンルになり、八千矛王国で文化の一つとして根強く育った。 この「無意味のマヤミロ記念館」は、いろいろな利権で大儲けしたヤフスがその利益を全て投じて建てた記念館である。 非常に広い施設で、連日多くの人が自作の妄想物語を持ち寄り、バザーなどを開いている。 ![]() キャラ画像配布元:いぶし銀様(日和屋/リンク先消滅) 写真:ゆん様 |