スメラギ記述1   →キャラ紹介

 カル様が魔王の頃には頼まれなかった事を頼まれるようになった。
 妙に嬉しいような、照れくさいような。そんな心境である。
 料理、手紙、絵画、狩り、などなど。
 活動的な事が上達する反面、カル様のショッピング時や学校(魔術ギルド)の際に待たされる事も多く、暇潰しも得意になって来た気がする。
 誇るべきだろうか?


 私と同じように元魔王軍だったリリーが仲間に加わった。
 私では分からない「女性ならではの問題」を相談してくれるので、非常に助かってるものの、リリーが加わってから話が下品でいかんと思う。
 隙あらばカル様の身体を撫で回し、通常の会話で下ネタに通じる言葉が出ると直ぐに反応して下ネタにしてしまう。
 この前もデザートにプリンをお出しした所、形が山なりでカラメルが頂上にポチっとあった所から、プリンが乳房のようですねと言い出しカル様の胸を揉む始末。
 次からはプリンを角ばった形にするように心がけようと思う。
 胸を揉まれて脱力し意識朦朧となったカル様が少し可愛かったような気がしたがそれは伏せておく。


 元々、戦闘スタイルが魔法であるカル様は人間になった所で武器の知識が乏しく戦いが苦手になってしまっていた。
 魔王時代の戦闘スタイルに戻る為にも魔法を覚えていただかなくてはならない。
 そこで魔法学校に通って頂いている。
 いろいろとご苦労があるようだが、最近はご学友が出来、仲良くなさってるようで嬉しい限り。
 それは良いのだが、悪い点のテスト結果も次からはしっかり見せてくださいませ。
 怒りませんから。


 学校が始まってからは起床時間や就寝時間が決まって来ている。
 なにやら規則正しいリズムで、最近のカル様の血色が実に良い。
 人間の身体はリズムが決まっている方が健康に良いのだなと認識する。
 この辺りの魔王時代との違いをしっかり学ばねばと思うこの頃である。
 カル様はミルクと砂糖たっぷりのコーヒーが好きなようで私では飲めないくらいの甘いコーヒーを毎朝用意する。
 朝食も朝食べられる物を作り、学校用の弁当も作る。
 最初は面倒くさい作業であったが、ここ最近はそれが楽しくなりつつある。
 そしてこの所、下着類はカル様自らが洗濯なさっている。
 別々に分けるよりもいっぺんにやった方が早いので渡すようにお願いしているのだが、恥ずかしいからと言って渡してくれない。
 その内衣類全般も渡してくれなくなるのだろうか。
 ご学友と買い物に行った時に買っているのか見慣れぬ下着や服が増えた気がする。


 毎朝の朝食会議で一日の行動が決定する。
 学校は通っているものの強制では無いので行ける時に行っている。
 冒険者の仕事もこなさないと生活費が稼げないので上手くスケジュール調整する必要があるのだ。
 最初は計画的であったが、最近はカル様の気分によるものが多くなって来た気がする。
 この朝食会議にはカル様と私とリリーの三人。
 それにたまにミュウが加わる。
 ミュウが学校用の弁当を作って来た場合はカル様の学校出席率は飛躍的に跳ね上がる。
 学業や体調よりも食事が考えの中心になって来てるような気がしてならない。
 食事と言えばカル様は「つぶつぶ果実の料理」が好物で学食のそれは実に逸品らしい。
 私も同じ物が作れるようになれるようにと日々研究を重ねている。






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