登用教

名前
・登用教

神話
・リレイ嬢の庭




謳文
・全ての運命が神に因るものならば、神を憎んで人を憎まず。

教義
・自分と他人を比べてはならない
・他人と自分を比べてはならない
・自分と自分を比べてはならない

Dogma
・Don't compare yourself with others.
・Don't compare others with yourself.
・Don't compare yourself with yourself.

十指
・誰かの優しさを自分の実力と勘違いしてはならない。
・時間の本質は消去である。
・人の行動原理で一番強力なのは「危機感」と「使命感」である。
・男を「上手に騙す」のが女のつとめ。
 女に「上手に騙される」のが男のつとめ。
・手に入れる為に手を伸ばすのであって、
 手を伸ばせは勝手に手に入って来る訳じゃない。
・危機感、使命感、神秘性、人物性、欲望性、官能性の6つを持って物語とする。
・自分が無能で何も無い人間ならば、せめて背筋を伸ばして胸を張って生きろ。
 無能な上に背筋を丸めて俯いていたら、それこそ救い様が無い。
・幸せは理屈じゃないけれど、
 不幸せは理屈である。
・「めげないこと」この一言に尽きる。
・楽しんでも1秒。苦しんでも1秒。


 登用教は「僧侶」と言う専門の役職を作らない。
 登用教は「入門」「破門」と言う制度を作らない。
 登用教は「組織」を作らない。

 登用教はあくまで一般人が登用教の教えを「参考」にすると言う姿勢であり、
 専門職の僧侶や運営員などの登用教を構成する為の組織を作らない。

 そう言った意味では「信者」も居ない。
 登用教に入門する破門されるなどの制度は存在しない。

 あえて登用教を信仰する者を表現するならば、
 信者ではなく「学生」と呼称する。

 教師は不在で登用教と言う参考書(参考にするだけの書)を読む学生。
 これが登用教の形である。

「自分と他人を比べてはならない」とは「優る自分と劣る他人を比べてはならない」。
「他人と自分を比べてはならない」とは「優る他人と劣る自分を比べてはならない」。
「自分と自分を比べてはならない」とは「過去の自分と今の自分を比べてはならない」。

 過去の自分と今の自分というのは、今の自分を全ての基準として考え、過去の自分を持ちださないと言う事です。
「今は駄目な奴だが、昔は凄かった」などと過去の良かった頃の自分にすがり、思考を停止させてはならないのです。
 過去の自分を語るのも、訊かれたら小出しにする程度に留め、なるべく控えた方がよろしいでしょう。

 また、毎日毎日やっていた事を偶にはいいだろうっとやらなかった時、やらなかった事は許されますが、それを誰かに咎められた際に「普段はやっていた」と言い訳する事は見苦く、今の自分の価値を落とすだけですので止めましょう。

 過去の境遇と今の境遇を比べ、自分を納得させる行為は自分と自分を比べる事にはなりません。
 境遇と境遇は「他人と他人」と言う扱いです。
 他人と他人を比べる事は禁じていません。
 他人と他人を比べる事を積極的に行うか消極的に行うかに決まりはありませんが、他人と他人を比べる事は禁じてはいないのです。


 なんでもできるという万能感を持ちつつ聞いて下さい。

 とある野生のイノシシが山に住んでおります。
 そのイノシシは問題無く自立しており、子育てもしています。

 しかし野生であるが為、楽な暮らしとは言えません。

 例えば餌場は経験で知っている所だけに限定されてしまっており、ちょっと考えれば直ぐ近くに新しい餌場があると分かるのに考える力が無いから行けないのです。
 また、工夫をすれば子育ても楽になるのになと思う所も彼方此方にあります。

 そんなイノシシに対して貴方はどうしますか?

「救ってやろう」とか「良い事を教えてやろう」とか思いますか?
 救うとはそういうものなのでしょうか。
 貴方なりの答えを導き出して下さい。


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