鮮魚【菜魚樹】    メニューへ戻る
 戦う魚屋さん鮮魚【菜魚樹】
 店主「ナオキ」様の魚屋通信です。
 
 釣竿片手に帝國中を闊歩する孤高の勇者(魚屋)、ナオキ様の旅の記録、しかと受け止めました。
 ここに敬意を持って掲載させて頂きます。
帝國史書係 セイチャル・マクファロス
 
 絵・文/ナオキ様


*1*2*3
*1  ▲
 
 皇帝の依頼で古代獣に挑む。魚屋に依頼するとは、物好きな皇帝だな…。

*2  ▲
 
 相棒が逝った、魔魚二匹を最後の成果として。
 ―あの竿にはなかなか思い入れがあった。町の職人であった「ミカサ」というものから買ったものだ。市場に出回っているやたら脆い大量生産の木の竿に日々悩まされていた当時、ふと自分の縄張りから他の商人のところへ足を伸ばした際に見つけたかの竿は、重量3という確かな重さと木の竿とは比べ物にならない強度を持っていた。飛びつくように手に取り、掻っ攫うように店主から買い取った。
 
 その後、巨大な魔魚を釣り、古代獣を殴り倒し数々の戦績を重ねた相棒が逝った。今日まで、ありがとう。だが、またいつかめぐり合うだろう。そのときには再び大物を釣ろう。

 
*3  ▲
 
 それは突然だった。
 男は何も言わず私を襲撃した。
 だが彼の剣が振り下ろされるより速く、私はそばにあった「木の竿」をたたきつける。
 巨大な魔魚をもしとめる我が竿撃が寸分たがわず襲撃者の眉間を直撃するかに見えた。
 しかし、この男はとっさに手に持った盾でうけ、こちらが次の攻撃に移る前に遁走したのだ。
 このような辻斬りがまかり通るとは、帝國も早々安全ではないらしい。商人といえどそういった襲撃に備えねば…
 
 
 PS
 その襲撃者がその後、魚を買いにきた。
 もちろん追い返した。


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